年下の君に恋をして
お店を閉めてからの遅い晩ご飯どき。

私の向かいに座るお父さんは、いつになく難しい顔をしている。
お母さんから私の事を聞いたから、怒っているのだろう。

「さあ、食べましょう? 有紀子がお刺身食べられないから、大したおかずじゃなくなっちゃったけど」

お父さんが、持ち掛けたお箸をお膳にバシッと叩き付けた。
お母さんの言葉が、お父さんの怒りに火を点けたみたい。

私達3人は、ビクッとしてお父さんを見た。

「有紀子。母さんから聞いたよ」

「ごめんなさい…」

「相手の男は、どこの誰なんだ?」

「それは…」

「言えないのか? 言えないような相手なのか?」

「ごめんなさい」

俯いた私の目から、涙がジワリと滲み出て来た。
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