年下の君に恋をして
「そっか…。10歳も離れてれば、オバさんに見られても仕方ないか。でも10歳で子供は産まないから、『お母さん』はないでしょ?」

「夢を見てたんだ」

「え?」

「熱にうなされて、母さんの夢を見てたんだ。目を開けたらあんたがいて、一瞬母さんが戻ったのかと…」

「戻った、って?」

「………」

話したくなさそうなので、その話は追求しない事にした。


「熱と言えば、だいぶ下がったみたいね? 計ってみて?」

私は体温計を少年に差し出した。

「あんたが看病してくれたお陰かな?」

「その、『あんた』って、やめてくれない?」

「あんた、名前は?」
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