年下の君に恋をして
「その男には責任を取ってもらう。ここに連れて来なさい」

「それは出来ません」

「なぜだ? 妻子のある男じゃないんだろ?」

「………」

『まだ子供だから』とは言えなかった。恥ずかしくて。

「相手の親が反対してるのか? だったら俺が乗り込んでやる」

「そうじゃないの」

「じゃあ、いったい何なんだ?」

「ごめんなさい」

涙がポロポロこぼれ落ちた。

「結婚しないまま、子供を産むつもりなのか?」

私はコクンと頷いた。

「ダメだ。
東京じゃ珍しくないかもしれないが、こっちじゃいい笑い者だぞ。おまえだけじゃない。家の者みんなが笑われるんだ。商売にだって差し障るかもしれない」

「じゃあ、どうしたらいいの?」

「何がなんでも、相手の男に責任を取ってもらえ」

「出来ないよ…」

「だったら出て行け!」
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