年下の君に恋をして
「お母さん…」

「美穂子、お姉ちゃんの荷物を車に積んであげて?」

「は〜い」

「お姉、貸して?」

美穂子が私の手から二つのバッグを取り上げた。

「重い…。こんなの二つも持ったらダメだよ、お姉」

「美穂…」

「私は自分の荷物をまとめて来るから、有紀子は車で待ってなさい。あ、助手席によ。私が運転するから」

「お母さん、本当に行くの?」

「行くわよ。当たり前じゃないの。身重の有紀子を一人で行かせられないでしょ?」


「おい、おまえ達は何をしてるんだ?」

「父さん。私は有紀子と東京へ行って来ます。有紀子が無事に出産するまで、帰りませんから」

「家はどうするんだ? 店は?」

「家の事は美穂子がやってくれるでしょ。店は、知りません。あなた一人でやってください」

「そんな…どうしてだよ?」
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