年下の君に恋をして
「君が先に名乗るのが礼儀だと思うわよ。年下なんだから」

「俺は小田嶋翔(おだじま しょう)」

ああ。昨夜、金髪の少年から『ショウ』って呼ばれてたっけ。

「翔君ね?」

「『君』はいらねえ。翔って呼んでよ」

「分かったわ。私は高木有紀子(たかぎ ゆきこ)よ」

「じゃあ有紀子って呼ぶよ」

「呼び捨て? 『さん』ぐらい付けなさいよ」

「ちぇ。分かったよ」

「翔君、じゃなかった翔は、高校生? 16歳だと1年生かしら?」

「2年。もうすぐ17だから」

「背はいくつぐらいあるの?」

「180ちょっと」

私より20cm以上も大きいんだ…

「あんたは26歳か? OL?」

「そうだけど、『あんた』じゃないでしょ?」

「ああ、有紀子…さん?」

「『さん』付けだと言いにくそうね? じゃあ、いいわ、呼び捨てでも」

「サンキュー、有紀子」

年下の子から呼び捨てで呼ばれるって、何か変な感じ…
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