年下の君に恋をして
今日は翔太の新生児一ヶ月検診と、私の産後一ヶ月検診。

翔とお揃いの腕時計で時刻を確かめ、愛車の赤いフィットの後部席にチャイルドシートを装着して、翔太と病院へ行った。


「有紀子さんも翔太君も、全く異常なしよ」

診察が終わり、幸子先生が優しい笑顔で言ってくれた。

「ありがとうございます」

「有紀子さん、ちょっとお話してもいいかしら?」

「もちろん、いいですよ、幸子先生」

私は腰を浮かせて立ち上がりかけていたけど、もう一度丸い椅子に腰を降ろした。
幸子先生は大好きなので、話が出来る事が嬉しかった。

「翔太君の名前は、有紀子さんがつけたの?」

「そうですけど?」

「由来とか、あるの?」

「父親の字をもらったんです。勝手にですけど」

「父親って、有紀子さんのお父様?」

「違いますよ。この子の父親です。翔って名前なんです」

「まあ。そんな重大ニュースを、私に言っちゃっていいの?」

幸子先生はおどけた様子で、笑顔で目を見開いた。
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