年下の君に恋をして
それから幸子先生と私は、互いの事を語り合った。
幸子先生はお医者さんを目指して医大を出たのに、家の事情で無理矢理に小田嶋家へ嫁ぎ、間もなく翔を産んだ。
でも、幸子先生には嫁ぐ前から恋人がいて、商社に就職したその恋人が、外国へ転勤すると知った幸子先生は、夫と翔を捨てて恋人の元へ行った。
ところが、他人に嫁いで子供まで産んだ幸子先生を、その恋人は受け入れる事が出来なくて、結局は一人で外国へ行ってしまった。
ひとり残された幸子先生は、小田嶋の家にも実家にも戻る事が出来ず、ほうぼうを彷徨った揚句、この町に流れつき、医師免許を活かして医者として働き、今日に至るのだという。
「有紀子さん、翔太君を抱かせてもらっても、いいかしら?」
私はコクンと頷き、翔太を幸子先生の胸に預けた。
「どうりで翔に似てるわけよね…」
幸子先生は翔太を愛おしげに抱き、涙をはらはらと流していた。
幸子先生はお医者さんを目指して医大を出たのに、家の事情で無理矢理に小田嶋家へ嫁ぎ、間もなく翔を産んだ。
でも、幸子先生には嫁ぐ前から恋人がいて、商社に就職したその恋人が、外国へ転勤すると知った幸子先生は、夫と翔を捨てて恋人の元へ行った。
ところが、他人に嫁いで子供まで産んだ幸子先生を、その恋人は受け入れる事が出来なくて、結局は一人で外国へ行ってしまった。
ひとり残された幸子先生は、小田嶋の家にも実家にも戻る事が出来ず、ほうぼうを彷徨った揚句、この町に流れつき、医師免許を活かして医者として働き、今日に至るのだという。
「有紀子さん、翔太君を抱かせてもらっても、いいかしら?」
私はコクンと頷き、翔太を幸子先生の胸に預けた。
「どうりで翔に似てるわけよね…」
幸子先生は翔太を愛おしげに抱き、涙をはらはらと流していた。