年下の君に恋をして
翔が今、私のすぐ目の前にいる。

久し振りに見る翔は、少し大人びて見える。

翔はジッと私を見ている。
何か言わないと…。でも、言葉が出て来ない。

「あ、あの…」

「有紀子のバカやろう」

「え? きゃっ」

私は翔に抱きしめられていた。

「どうして黙って消えちゃったんだよ?」

「ごめんなさい…」

「俺達が別れるのは、どちらかが嫌いになった時だけって言ったよな?
あんな変なメールくれるし」

「変だった?」

「変だろ? 俺がおまえを忘れて、新しい彼女を作るのは簡単だってか?」

「そんな事、書いたっけ?」

「ああ。おまえを簡単に、忘れられるわけないだろ?」

「翔…」

「おまえは俺をだめにするってか?」

「それは書いたかも…」

「逆なんだよ、バーカ」

「バカじゃないもん」

「俺は、おまえがいないとだめなんだよ。それが分からないなら、バカだろ?」

「翔…」

「会いたかったよ」

「私も、翔に会いたかった」
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