年下の君に恋をして
エピローグ1
「翔…抱いて?」

「今、ここでか?」

「うん」

「わ、分かった。じゃあ…」

「ちょ、ちょっと、やめてよ」

「おまえが抱けって言うから…」

「私じゃないわよ」

はだけた胸元を直しながら、私は呟いた。

『私の事は、後でね?』

「え? 何か言った?」

「翔太を抱いてって言ったの」

「ああ、そうか。赤ん坊って、抱いた事ないんだ。落としそうで怖いよ」

「大丈夫よ。手を私みたいにしてみて?」

「こうか?」

翔が私を見て、手を、赤ちゃんを抱く形にした。

「そうそう。翔太、パパに抱っこよ。よかったね?」

少し緊張した感じの翔の手に、翔太をそっと預けた。
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