年下の君に恋をして
「変な意地は張らず、父から援助してもらうつもりです。僕が社会人になるまでですけど。父は会社を経営してまして、経済面は問題ないと思います」
きっぱりと翔は言い、私は内心ホッとした。
「若いのに、しっかりした考えを持ってるのね? 有紀子を、どうかよろしくお願いしますね」
「はい。僕は全力で有紀子さんと、翔太を幸せにします」
「有紀子と翔太を、頼むよ」
母に続き、翔に向かって父は薄くなった頭を下げた。
夜になり、私の部屋で翔と翔太と3人きり。
私は翔に寄り掛かり、翔は後ろから私を抱いて頭を優しく撫でてくれている。
翔太は、おっばいをいっばい飲んで、ベビーベッドですやすや眠っている。
「こんな日が来るなんて、夢を見ているようだわ」
「俺もだよ」
「そうね。翔には大変な一日だよね?」
「ああ。びっくりしたよ」
「もっとびっくりさせる、って言ったらどうする?」
「え?」
「すごくお世話になった産婦人科の先生に会ってほしいの」
「これからか?」
「うん。ぜひ」
「いいよ。でも、なんでびっくりするんだ?」
「それは、後で話すわ」
私は怪訝な様子の翔を連れ、幸子先生のアパートへ行こうと思う。
もちろん翔と、翔のお母さんの幸子先生を引き合わせるためだ。
翔か幸子先生か、あるいは二人から『余計な事』と責められるかもしれない。
でも、翔と幸子先生の再会は、翔太によって導かれた運命なんだって、私は思うから。
(エピローグ1 完)
きっぱりと翔は言い、私は内心ホッとした。
「若いのに、しっかりした考えを持ってるのね? 有紀子を、どうかよろしくお願いしますね」
「はい。僕は全力で有紀子さんと、翔太を幸せにします」
「有紀子と翔太を、頼むよ」
母に続き、翔に向かって父は薄くなった頭を下げた。
夜になり、私の部屋で翔と翔太と3人きり。
私は翔に寄り掛かり、翔は後ろから私を抱いて頭を優しく撫でてくれている。
翔太は、おっばいをいっばい飲んで、ベビーベッドですやすや眠っている。
「こんな日が来るなんて、夢を見ているようだわ」
「俺もだよ」
「そうね。翔には大変な一日だよね?」
「ああ。びっくりしたよ」
「もっとびっくりさせる、って言ったらどうする?」
「え?」
「すごくお世話になった産婦人科の先生に会ってほしいの」
「これからか?」
「うん。ぜひ」
「いいよ。でも、なんでびっくりするんだ?」
「それは、後で話すわ」
私は怪訝な様子の翔を連れ、幸子先生のアパートへ行こうと思う。
もちろん翔と、翔のお母さんの幸子先生を引き合わせるためだ。
翔か幸子先生か、あるいは二人から『余計な事』と責められるかもしれない。
でも、翔と幸子先生の再会は、翔太によって導かれた運命なんだって、私は思うから。
(エピローグ1 完)