年下の君に恋をして
「じゃあ…今の翔も、本当の翔じゃないって事?」

「え? あ、いや。今の俺は本当の俺かもしれない」

「かも?」

「いや、かもじゃない」

「それは良かったわね」

「有紀子…」

「きゃっ」

翔にいきなり頭を抱き抱えられた。

「ちょっと…」

「やっと俺の居場所が見つかった…」

「居場所って?」

「有紀子といると、自然にしていられるんだ。何でかなあ」

「そ、それはいいけど、放してくれない? 苦しいから…」

本当は苦しいからじゃない。翔の体から出る男の子の臭いに、頭がクラクラして、胸がドキドキするから。

10歳も下の子供相手にそんな事、自分でも信じられないんだけど…
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