年下の君に恋をして
「ふ〜ん、高校生か…。2年生? それは微妙だなあ」

「何が微妙なの?」

「有紀子が言うように、本当にその子が子供かどうかよ」

「何言ってるのよ。私達より10歳も下なんだよ。子供に決まってるじゃない」

「本人を見ないと、何とも言えないな…」

それはつまり、翔に会わせろって事よね?

「分かったわよ。ちょっと待ってね」

寝室に行くと、翔はベットにあぐらをかいて、携帯をいじっていた。

「翔…」

「ん?」

「今ね、会社の友達が来てるの」

「へえ…」

「その子がね、翔に会いたいって言うの。あ、嫌ならいいのよ」

「いいよ」

「へ?」

翔はパチンと携帯をたたみ、ストンとベットを降りた。そして『行こう』と言って、私の肩を掴み、歩きだした。

「ちょっと、翔…」

翔の手から逃れようともぞもぞ動いてる内に、キッチンへ来てしまった。

恵美は案の定、私達を見て目を丸くしていた。
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