年下の君に恋をして
「恵美、この子が小田嶋翔君よ」

恵美ったら、口をポカンと開けて唖然としている。

「翔、こちらは同僚の松野恵美ちゃん」

「よろしく」

「………」

「恵美?」

「え? ああ、よろしくね」

私は恵美と向かい合わせに座った。

「さっそくプリンをいただこうかしら…」

「甘いよ…」

恵美がポツリと言った。

「そんな事ないよ、ここのプリンは」

私はケーキ屋さんの箱を開けながら、ここのスイーツは甘さを抑え目で、それは恵美だって知ってるはずなのに変だなあ、と思った。

「美味しそう…!」

「私はご馳走様って心境よ」

「恵美はお腹いっぱいなの?」

「ある意味、そうね」

「なんか恵美、変だよ」

「こう見せつけられたら、変にもなるわよ」

「え?」
< 34 / 178 >

この作品をシェア

pagetop