年下の君に恋をして
「『ふ〜ん』って、ずいぶん薄情なのね。あなた達、付き合ってるんでしょ?」

「まあ、そんなような感じだけど…」

「夕べの男か?」

「え? うん」

「翔君も見たんだ…。いい男だったでしょ?」

「顔までは見てない」

「そうなの? 野田さんは私達の先輩でね、すごく格好いいのよ。ね、有紀子?」

「え、そうかなあ」

私は正直なところ、野田さんの事をそんな風に思った事はない。翔の方がずっと格好いいと思う。

あれ?

なんでそこで翔が出て来るのよ、自分!

「……有紀子ってば、聞いてる?」

「え? ごめん、聞いてなかった」

「野田さんに、自分で電話しなって言ったのよ」

「え…… いや」

「どうして?」

「どうしても」

なんだろう。私は野田さんの事を避けたい気持ちになっていた。
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