年下の君に恋をして
「の、飲まないよ。どうして?」

「冷蔵庫に何本も入ってるじゃん」

「見られた?」

「見た。俺に遠慮は要らねえから、飲めよ」

「後で翔を送って行くから、飲まない」

「歩いて帰るからいいよ」

「歩いたら1時間ぐらい掛かるでしょ? 送って行きます」

「分かった」

車を運転するからでもあるけど、翔の前でお酒を飲むのは嫌だった。たぶん、歳の差を実感しちゃうから。

お酒、止めようかな…


「これ、旨そう! いただきま〜す」

翔はスパゲティーにフォークを突き刺し、豪快に食べ始めた。

「どう?」

「すげえ、旨い!」

「よかった。足りるかな?」

「どうせ後でなんか食うから大丈夫」

「さすが、食べ盛りね?」

「有紀子……」

「ん?」

「今の、イエローカード。もう一枚でお仕置きだぞ」

「あ、ごめんなさい…」

「それもいいけどな」

「もう…翔ったら」
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