年下の君に恋をして
「ごちそうさま。美味かったよ」

それこそ、”あっと言う間”に翔はスパゲティを食べ終えてしまった。私はまだ半分も食べていないというのに。

「そう? そう言ってもらうと嬉しいな」

「有紀子は料理が上手いよな? この間のおかゆも美味かったし」

「そんな事ないよ。4年も自炊してたら、誰だって料理ぐらいするし…」

「一人暮らしして4年って事か? 実家はどこ?」

「私は東北の小さな町で育ったの。地元の大学を出て、就職と同時に上京したのよ」

「ふ〜ん。じゃあ家族は東北にいるんだ?」

「うん。家は昔から酒屋をやってて、両親は健在。妹が一人いて、地元の銀行に勤めてるわ」

「酒屋さんか…。だから有紀子は酒が好きなんだな?」

「関係ないわよ」

「そっか?」

と言って翔が笑うから、私もつられて笑っちゃった。

「羨ましいよ」
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