年下の君に恋をして
割って入った子は、白いTシャツの背中しか見えないけど、金髪の子と同じくらい背の高い子だった。

「ショウ、邪魔すんじゃねえよ!」

白Tシャツの子は金髪の子にドンと押されたみたいで、後ろに下がった拍子に、その子の背中が私の鼻にぶつかった。痛い…


「おい、女をよこせよ」

「おまえ、いい加減にしろよ」

今度は白Tシャツの子がドンと押すと、金髪の子は地面に尻餅をついた。

「こいつ…!」

小柄で茶髪の子が白Tシャツの子に掴み掛かったが、小柄な子の体は一瞬フワッと浮き、金髪の子の上に落ちて行った。

ギャッ、だかグェッだか、そんな悲鳴が聞こえた。痛そう…

「ボーッとしてないで、逃げるぞ!」

私は白Tシャツの子に手を掴まれ、引っ張られて走り出した。
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