年下の君に恋をして
「で、翔君はどっちのパターンなの?」

「え? それは…」

「やっぱり翔君なんだ?」

「あっ」

簡単にばれちゃった…

「有紀子…」

「な、なに?」

「翔君の事、好きになっちゃったの?」

「え?」

どうしよう…。恵美にはごまかせない気がする。

私は観念してコクンと頷いた。

「そっか…。あの子可愛いもんね? 分かるけど、真剣になったらダメだよ?」

「………」

「と言っても、遊びで付き合えないもんね、有紀子は」

私は何も言い返せなかった。

「野田さんじゃダメなの?」

私は黙って首を振った。

「そっか…。翔君がもう少し大人だったらなあ。有紀子が傷付くのが心配だよ…」

「ごめんなさい…」

「でも、私は有紀子の味方だからね。何かあったら、私に言ってね?」

「うん。ありがとう…」

思わず涙を零した私の頭を、恵美は優しく撫でてくれた。

「恋って、厄介だな…」
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