年下の君に恋をして
翔から何度かメールはもらったけど、アパートに来る事はなかった。
家に帰る度、密かに期待したのだけど…

生徒会長に当選したそうなので、きっと毎日忙しいのだろう。

そして、翔が泊まりに来る金曜日。

定時で仕事を終え、帰り支度をしていると、野田さんから声を掛けられた。

今日あたり、もしかすると…という予感はしていた。

「有紀ちゃん、帰るんだよな?」

「あ、はい」

「俺もだから、飯でも行くか?」

やっぱりそう来たか…

「あ、えっと…ごめんなさい」

「なんだ、予定あるのか?」

「あると言えばあるし、ないと言えばないというか…」

「どっちなんだよ? じゃあ今日は飯だけでいいから。さあ、行こうぜ?」

何か、恵美も含めてみんなが私達の会話に、聞き耳を立ててる気がする。野田さんの声、大きいしな…
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