年下の君に恋をして
「そっか…。ねえ、恵美…」

『なに?』

「翔の事は言わないでほしいの。野田さんにも、誰にも…」

『分かってる。言えるわけないじゃない』

「ごめんね」


恵美との電話の後、私は『ハア〜』と溜め息をついていた。

恵美は翔の事を『言わない』ではなく、『言えない』と言った。

私は、人に言えない恋をしちゃったんだな……


スーパーで買い物をしてアパートに帰ると、部屋の明かりが点いていた。

「ただいま…」

「お帰り!」

翔はキッチンのテーブルの前に座っていて、私に向かってニコッと笑って手を挙げ、その笑顔に、思わず私の胸がキュンとなった。
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