年下の君に恋をして
「何か飲み物作ろうか? コーヒーか紅茶しかないけど」

「要らない。これがあるから」

翔はテーブルに置いてあるペットボトルのスポーツ飲料を指差した。

「そうよね」

私は自分の飲み物だけ作ろうかなと思ったけど止めた。

翔の前にちょこんと座り、ほお杖をついて翔の頭の上あたりを見る。翔は下を向いてシャープペンを動かしていて、顔は見えない。

「もうすぐ終わるからさ」

「いいよ。ゆっくりやって?」

私は翔のスポーツ飲料に手を伸ばす。

「これ、飲んでいい?」

「どうぞ…」

翔は下を向いたまま返事をした。

スポーツ飲料をゴクリと一口飲んでみた。しょっぱいような変な味。男の子はこういう味が好きなんだろうか…

「不味い…」

思わず私が呟くと、翔は『ふっ』と一瞬だけ笑った。
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