年下の君に恋をして
低いヒールを履いていてまだ良かったけど、男の子に合わせて走るのはしんどかった。
路地の角を曲がった所で、白Tシャツの少年は急に立ち止まった。
「ここに隠れよう?」
「え? きゃっ」
少年に手を強く引っ張られ、誰かの家の庭に入り込み、少年に頭を押さえられて庭木の陰にしゃがんで隠れた。
「ちょっと…」
「シー。静かにして」
その直後、私達を追って来た少年二人の走る音が近付き、そして遠ざかって行った。
「行ったみたいね?」
「だな」
「でもさ、君は強そうなんだから、逃げなくても良かったんじゃない?」
ショウと呼ばれた白Tシャツの少年は、下を向いて荒い息をしている。私も走ったため息が上がっているけど、その子ほどではない。
「あれが……限界、だったんだ」
「え?」
少年の体がグラリと揺れ、私の方に倒れ掛かって来た。
「きゃっ」
そのはずみで私は仰向けに倒れ、胸の辺りに少年の頭が乗る格好になった。
路地の角を曲がった所で、白Tシャツの少年は急に立ち止まった。
「ここに隠れよう?」
「え? きゃっ」
少年に手を強く引っ張られ、誰かの家の庭に入り込み、少年に頭を押さえられて庭木の陰にしゃがんで隠れた。
「ちょっと…」
「シー。静かにして」
その直後、私達を追って来た少年二人の走る音が近付き、そして遠ざかって行った。
「行ったみたいね?」
「だな」
「でもさ、君は強そうなんだから、逃げなくても良かったんじゃない?」
ショウと呼ばれた白Tシャツの少年は、下を向いて荒い息をしている。私も走ったため息が上がっているけど、その子ほどではない。
「あれが……限界、だったんだ」
「え?」
少年の体がグラリと揺れ、私の方に倒れ掛かって来た。
「きゃっ」
そのはずみで私は仰向けに倒れ、胸の辺りに少年の頭が乗る格好になった。