年下の君に恋をして
翔の食べっぷりは見ていて気持ちいいくらいだ。

「味はどう?」

「うん、すごく旨いよ。この…何だっけ?」

「肉じゃがよ」

「ああ、そうそう」

「少し味が薄くない?」

お醤油の量が、足りなかったような気がする。

「分かんない。実は肉じゃがって、今まで食べた事ないんだよね」

「えーっ、そうなの? だって翔、好きだって言ったじゃない?」

「肉は好きだから、たぶん好きだろうと思ってさ」

翔にはお母さんがいないから、肉じゃがを作ってくれる人がいないんだな…

「翔は好き嫌いあるの?」

「あるよ。好きなのは肉。魚はあんまりだけど、最近刺身が食えるようになってきた。
嫌いなのはシイタケとピーマン」

「私もシイタケはダメなの。奇遇だね?」

「だな?」

私はお肉よりお魚の方が好きなんだけど、それは言わない事にした。
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