年下の君に恋をして
「ちょっと、止めてよ!」

少年の体を押し退けようとして、少年がグッタリしている事に気付いた。それに、体がやけに熱い。そう言えば、手を握られた時も、少年の手は熱かった。

「君、もしかして…」

少年のおでこに手を当てると、やはり相当熱があるようだ。

「熱あるじゃない。ねえ、大丈夫?」

「ん…ダメ」

「ダメって…。どうしよう」

「うう、寒い…」

少年がガタガタと震えた。
初夏の暖かい夜だから、寒がっているのは熱のためだろう。

「ねえ、お家の人に電話して来てもらおう?」

「………」

返事がない。

「ねえってば…」

「嫌だ」

「嫌ってどういう事よ? ねえ…」

少年は無言。家族に連絡する気はないらしい。
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