年下の君に恋をして
翔が食べかけのおそばを少しだけすすってみた。思ったより美味しい。

「けっこう美味しいね」

「だろ?」

翔は私のアイスをペロッと舐めながら言った。なんか、私の唇が舐められた気がして、ドキッとした。


「私達って、人からどう見えるのかな?」

「ん? 恋人同士に見えるんじゃね?」

「それはないと思うよ。やっぱり、姉弟じゃないかな…。年の離れた」

「有紀子…」

「ん?」

「もうちょっと、前に…」

翔が顔を近付けて小声で囁くから、私も身を乗り出した。

「レッドカード。お仕置きだ」

「え? ん……」

私は翔に頭を押さえられ、唇を奪われていた。

5秒ぐらいして翔の唇が離れると、隣の家族連れらしい人達からの、驚いたような視線を感じた。

「もう…翔のバカ」

「おまえが悪い。年の事を言ったらお仕置きって言ったろ?」

「何も人前でしなくても…」

「俺は気にしないから」
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