年下の君に恋をして
「いい眺めだな?」

展望台から見る景色は素晴らしかったけど、私の気分は落ち込んでいた。

「な、有紀子?」

「………」

「有紀子ちゃ〜ん」

「私達ってやっぱり、姉弟にしか見られないんだね?」

「それで元気がないのか?
人がどう見たって、関係ないだろ?」

「私だってそう思いたいけど、さっきみたいに驚かれたり、好奇の目で見られるのは嫌だな…」

「そうか、分かったよ。これからは俺も気を付けるから、元気出してくれよ。な?」

「うん」

「よし。じゃあ、弁当食べようぜ?」

二人で座りやすそうな場所を探した。

「この辺に座ろうか?」

「うん。あ、シートを忘れて来ちゃった」

車の中にレジャーシートが入っていたはずなのに、それを持って出るのを忘れてしまった。

下を見ると、草が生えてるけど、少し湿った感じがするから、座るとお尻が汚れそうだ。

展望台の傍には椅子とテーブルがあるので、そっちに戻るべきかな…
でもそっちには大勢人がいる。さっきみたいに好奇の目で見られるのは嫌だな…
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