年下の君に恋をして
「これを敷こうよ?」

翔が着てたジャケットを脱いでいた。

「だめだよ。汚れちゃうよ?」

「いいって。ちょうど暑くて脱ぎたかったし」

翔はジャケットをパッと広げて下に敷き、ストンと腰を下ろした。

「さあ、有紀子も座って?」

「じゃあ…ごめんね」

私は翔に寄り添うように、腰を下ろした。


「おお、美味そう!」

「そう? はい、いっぱい食べてね?」

バスケットの上にお弁当を出して、翔にお箸を渡した。

「なあ、おかゆを二人で食べたの覚えてるか?」

「もちろん覚えてるわよ」

「ああいう風に、食べたいなあ」

「ああいう風にって…。え〜っ、恥ずかしいよ…」

「いいだろ? 誰も見てないし」

周りを見渡したら、確かにこっちを見てるような人はいない。

「いいわ。何食べたい?」

「有紀子」
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