年下の君に恋をして
私達は温泉旅館に着いた。

「いらっしゃいませ」

女将さんらしき人が出迎えてくれた。

「温泉に入りたいんですけど、いいですか?」

「はい。いいですよ」

「ちょっと待って」

翔?

「部屋は空いてませんか?」

「空いてますよ。ゴールデンウイークの後で、予約が少ないので」

「泊まろうよ、姉さん?」

姉さん…?

「でも…」

「東京からお越しですか?」

「はい」

「じゃあ、泊まってゆっくりしてらしたら?」

「泊まりでお願いします。料金は先に払いたいんですが…」

「はい、いいですよ」

「じゃあ、これで」

翔はお財布からクレジットカードを出して女将さんに渡した。

「かしこまりました。少々お待ちくださいね」
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