年下の君に恋をして
アラームに設定した曲が聴こえて私は目を覚ました。隣で寝ていたはずの翔は、窓際の椅子に座り、難しそうな顔をしていた。

「起きてたの?」

「ああ。少し前に」

「何かあったの?」

「え? いや、別に…」

翔がチラッとテーブルに置いた携帯に目をやった。

「お家に電話したの?」

「あ、うん」

「爺やさんに何か言われた?」

「え? 何で爺やの事、知ってるんだ?」

「翔が熱出した時の電話を、立ち聞きしちゃったの」

「有紀子…」

「ごめんなさい。で、電話はどうだったの?」

「あ、いや、友達の家に泊まるって言って、はいそうですかって、それだけ。何も心配ないから」

「ほんとに?」

「ほんとに」

翔の目が泳いでいる。家の人に何か言われたんだろうか…
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