年下の君に恋をして
「こんな苦いの、よく飲めるな?」

「翔も大人になれば分かるよ」

「あ、それレッドカード! って事は、昼間の俺のと帳消しかあ。嬉しいような、嬉しくないような…」

「何ぶつぶつ言ってるの? 食べましょう? このお魚、美味しそう…」

「女湯はどうだった?」

「空いてたよ。私を入れて4人ぐらいだった」

「だろうな…」

「どういう事?」

「だって、俺の方に結構、女いたもん。ナイスバディで目のやりどころに困ったよ」

「ほんとに!?」

「うそ。おばさんとか、お婆さんだけ」

「なんだ…。それは残念だったね?」

「まあな」



食事が終わってフロントに電話すると、仲居さんが来て、御膳を下げて蒲団を二組敷いてくれた。

仲居さんが出て行くと、翔は『よいしょ』とか言いながら、二組の蒲団をピッタリくっつけた。

「俺は寝相が悪いからさ」

と、よく分からない言い訳をして…
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