空と海の真ん中で
「ごめん愛花
後でお金返すから!!!」
「え、ちょっと!!美空!?」

横に置いていた鞄と上着を乱暴に手に取り
立ち上がった。
愛花の叫び声にも答えず
そのまま私は走って喫茶店の外へ出ると
急いで辺りを見渡し
彼らしき人物を見つけてそちらへと駆け寄った

「海斗くん!!」

名前を叫んで彼の腕を掴む
一度下を向いて息を整えてから再び顔を上げると
あのころと何一つ変わらない彼の姿

「え、阪木さん?」
「うん!久しぶりだね」

笑顔を向けると
彼も笑顔を返してくれた。
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