空と海の真ん中で
「あー、そういうわけだったんだ
あんたが昨日いきなり走り出したわけは」
「うん、あ、これ昨日のお金」
「ありがとー
で、今から会いに行くの?」
「うん」

仕事を終え
私達は、会社内にある食堂で昼食をとっていた。

「まさか、その格好で会いに行くわけじゃないよね?」
「ううん、このままだよ
ありのままの私で想いを伝えたいから」

昨日家に帰ってから色々と考えた
そして出した答えがこれだ

ありのままの自分で
彼に思いを伝える

たとえ忘れられていても
もうこの想いを胸の中に閉じ込めておくことは出来ない



彼に再び出会ってしまったから




「だから、ね?」
「あんたがそう思うんならそうしたらいいんだよ
きっと」
「ありがと
あ・・・そろそろ時間だ、行ってくるね」

立ち上がって彼女に微笑む
愛花に「いってらっしゃい」と、一言だけもらい
私は彼との約束の場所へと向かった。

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