淡イ恋ゴコロ
【菖】
暫くして亜結が
『スー、スー』っと
規整正しく息をしだしたのを
見はらかって俺は口を開いた。
「なぁ…父さん、母さん、」
「なに??」
その声に応えたのは、母さんで、
父さんは黙って俺の話に
耳を傾けていた…
「今日な、また魘されてた…」
「そう…」
「でもな、亜結は自覚が全く無いんだ…」
「そうよね…
毎年この時期になるとよく魘されて…」
「そうなんだよ…」
母さんは、
「そう…」
というと呟くように