Fly-Time
その日の夜。


「橋本、ちょっといいか」


大貴が夏美の部屋を訪れた。


「どうした?」


「これからのことなんだが……」


珍しく深刻な顔をしていた。


「俺たち、元の時代に戻れると思うか?」


「………それは………」


夏美にとってももそれは大きな悩みの種だった。


「でも、戻れる方法なんてあると思う?」


「そこで、だ」


大貴は間を置いて言った。


「元の時代に戻る方法を探すか、ここの時代の住人として生きるかはっきりさせよう」
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