☆ある年の七夕物語☆【短編】
「おり姫の話・・・!」
・・・え?
声に出せなかった短い問いかけと溢れだす気持ち。
もしかして、もしかして・・・!
今なら大丈夫。そう思いました。
「ねえ!これ、受け取って!!!」
ついに、渡せなかったラブレターをひこ星の手にのせることが出来ました。
「これって・・・!」
「そう、2年前のケンカの原因。読んでくれないかなぁ・・・?」
ひこ星は、ある言葉が真っ先に目に飛び込んできました。
“好きです”
「おり・・・姫・・・」
「私、ひこ星が・・・あの、崖で助けてもらった時から、ずっと・・・」
「マジで?一緒・・・」
「ええっ!?」
こうしてクッキーに詰まった想いと、ずっと渡せなかったラブレター。
聖なる夜を超えて、伝えられたのでした。
≪おしまい≫