だから君に、恋をする。




次の日。どうやらクラスマッチの対戦クラスが決まったらしく、浮かれ面の勇人がいた。

「…気持ち悪い。」
「だーれが気持ち悪いだ!」

そのゆるゆる面だ平凡ノーベルめ。

「…それより、部活。行かなくていいのか?今日は補習ねぇんだろ?」
「あっ、そうだった!さらばだ俊樹少年!」

誰が少年じゃドアホゥ。
何時ものノリで教室から追い払えば、そのまま机に座った。

俺の予想だと、…多分。

「…寝るか。」

とりあえず、"その時間"になるまで、俺は眠りにつくことにした。







「…きくん…俊樹くん!」
「!」

揺さぶられる感覚に目を覚ました。ふと見上げれば時計の針は6:50をさしていて。

と、なると。俺の予想通りならば俺を起こした奴は――、

「…天川カレン」
「…やけに他人行儀ね、『俊樹くん』」

ほら、またあの笑みだ。

――奴はこの時間になると必ずここにくる。
そして――、

「"…帰らなくていいの?もうすぐ先生がくるわよ?"」
「…あぁ、"大丈夫だよ"」


少し好奇心があった。


天川カレン。
完璧すぎる奴の、実態に。

何故ならば俺の推測だと、奴はこの時間に全ての生徒を追い払い、"何か"をしているハズだから。


「…そう。」


張り巡らせた糸が、冷たい声で固まっていく。

「ふふ…やっぱりあなたは油断ならないわ…目をつけててよかった」


どくん。
マズイ、今更なにを怖じけづくんだ。
大丈夫。大丈夫だ。



「…仕方ないわね、少し――」






――あ。
ヤバイ。
五感が凍る。
ヤバイ。
ヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイ。

逃げなきゃ。

天川、カレン。

ただ者じゃない。
こいつ。


「痛い目見てもらおうかしら」


――ヤバイ――!





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