だから君に、恋をする。
呼んでよweはにー!


――昼が来た。まごうことなき昼が来た。
どこからどうみても昼なこの教室で、ヤキソバパンを食いちぎりながら葬式みたいな顔してる、勇人。

…お察しの通り、クラスマッチが上手くいかなかったらしい。こいつ、肝心なとこでだめだからなぁ。

…大丈夫か、次期キャプ。

「…なぁ…俊樹。」
「ん?」
「…お前なんで天川さんに『俊樹くん』なんて呼ばれてんだ。」
「………ぁ。」

そういや、なんでだろ。なんか気付かなかった。
自分でいうのもアレだが、一応学力は十位に入るし。うちの学校は成績表が張り出されるから、それ見て知ったのかも。

…ん?でも天川、俺が補習だって信じたよな?
……天然か?

「…さぁ、どうでもいいんじゃね?」
「よくねぇぇえ!」

この色魔色魔色魔!
うぁぁーんと情けなく机に突っ伏す勇人に、とりあえず同情。

つか、色魔とは失敬な。

「…んでもらいたい。」
「あ?」

不意にぴたりと泣きまねを止め、つぶやかれた言葉に眉根を寄せた。

「…天川さんに勇人くん(はぁと)って呼んでもらいたい。」
「……」

目標低!
そしてその(はぁと)はなんだ。
気持ち悪いなマジこいつ。親友として、心配だぞ桜庭勇人よ。

「まぁ…うん、いいんじゃね?」
「だろ!?協力しろよな、俊樹!」
「……なにを。」
「ふっふー…実はもう作戦考えてきたんだよな、いいか?まず…、」




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