蹴球王子と野球野郎
急接近
「それでは明日から夏休みだ―!!
部活があるものはしっかり練習すること!
そして気を緩めず生活すること!
わかったな?!」
そう。
明日から夏休み。
しかも今は終礼中。
明日から汐野に会えないのか~…
あたしも汐野も部活があるからいいけど、
あっちは今野球一本だし、
話したりできないよなあ…
そう思うだけでがっかりする。
『さよーなら!!』
ひゃっふ―いっ!とか言って男子は
教室を飛び出す。
「おい、樫野!」
一瞬で汐野の声とわかり、
振り返る。
「夏休み学校ねぇけど、
どっかで会えるといいな!
んじゃ、俺部活だしっ★
じゃ―な!!」
「うん。
じゃ―ね、野球馬鹿っ★」
にかっと笑ってからかう。
馬鹿って言うんじゃね―!!!
って叫びながら汐野は言ってしまった。