【短編】弟と私の関係
「は?何言って……」
さっきまであんなに困ってたのに……
玲緒は恥ずかしくなったのか、俯いてしまった。
「玲緒?」
「ごめんね、ころころ変わって。私も自分の気持ちにさっき気づいたの……陽琉が家出るって言ったとき、胸がギューって締め付けられたの。それで私、陽琉が好きなんだなーって……」
一生懸命俺の目を見て言う玲緒を見て、凄く愛おしくなった。
「ねぇ玲緒…抱きしめていい?」
「うん…」
恥ずかしそうに頷く玲緒を、ギュッと抱きしめた。
あったけぇ……
人の温もりってやっぱり落ち着く……