【短編】運命の糸
それから数日がたったが、生活に変わりはなかった。

周りの人も、武志と吉田は元々友達ではないといった感じの接し方だった。

武志が教室で昼寝をしていると、友美がやってきた。

「武志くん、ちょっといい?」

二人は校舎の屋上へとやってきた。

「最近なにかあった?ずっと考え事してるけど…。」

心配する友美をよそに、武志はポケットから例のハサミを取り出した。

「このハサミ、繋がりの糸を切れるハサミなんだぜ。すごいと思わない?」

そう話す武志に友美は困惑した。

「ちょっと、ほんとに大丈夫?」

近づく友美の腕を武志は掴んでみせた。

「友美、ちょっと知りたいことがあるんだけどいいかな?」
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