【短編】運命の糸
糸は切ったものの、特に変わったことはなかった。

吉田は何事もないように友達と話している。

「おかしいな。ちゃんと縁切れてんのかな?」

武志は自分の席を立ち、吉田に近づいた。

「なぁ、吉田。ジュース買いたいから金貸してくれよ。」

武志が声をかけると、吉田はびっくりした顔で武志をみた。

「なんでロクに話したことのないお前に金貸さなきゃいけないんだよ。」

その言葉を聞き、今度は武志が驚いた顔をした。

「話したことがない?
は?なに言ってんの?
おまえにギター貸してたじゃねーか!」

吉田は自分の頭を指でトントン叩きながら、

「おまえ、頭おかしいんじゃねーか?早く向こういけよ。
話したことねーのに友達ヅラすんじゃねーよ。」
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