レス―Q
「悪魔の誘い―21」







その波は
易々と二人を飲み込み、

他の置いてある機材道具も
一瞬の内に燃え上がった。










その最中、
ヤツの笑い声が
聞こえた気がした…








「フフフ!

ハーーーッハッハ!!!

ハーーーーッハッハッ
ハッハッハッハ!!!」










炎に包まれながらも
両手を大きく広げ、

まるで蝶の羽ばたきを
見せるような、
自分が燃え盛る姿を
誰に見せるわけでもなく
誇示していた。










その姿は炎により
九古の視界から消え、

笑い声もいつしか
聞こえなくなった…










ゴウウ!!!!!!










炎は増すばかりで、
その勢いは
止もうとしない。










夜に照らされて工場は、
一際真っ赤に
ゆらめいていた
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