レス―Q
【消防の心得-22】





何もかもが
黒い闇のように
感情までも燃やし尽くし

炎と同じく
蘇る事はなかった








燃えた物は
二度と戻らない…






何だってそうだ。







崩れた心は
取り戻しようがない。








ある時…

九古は病室1人

夕暮れを背にしながら
『絵』を書いていた。








近くを通りかかった
看護婦は

いつも何もしなかった
九古に対して

珍しい姿を目にしたので
声を掛けた。








「九君~
何書いてるの?」







九古はパッ顔を上げるが

何も言わず
すぐに顔を下ろした。








電気も点けず
夕日の明かりだけで
セッセとペンを動かす。









看護婦は
特にそれ以上は
何も話しかけず、

九古の絵を
ジッと見つめていた。







そして、
出来上がったのが…
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