レス―Q
【消防の心得-24】





こうして
しばらく入院生活を続け

あの悪魔の日から
数ヶ月後、
ようやく九古は
包帯を取ることが出来た







肌が黒く焼けついた後が
クッキリ残る。



大人になれば
薄くなるだろうが、

今は自分が見ても
薄気味悪い外観である。







しかし、
そんな事は
全く気にもしていない。






例え他の子供達に
いじめられたとしても
後ろ指さされたとしても

両親を亡くした
ショックの方が
圧倒的に
大きかったからだ。








こんな時
ショックから
助けてくれるのは、
身近かな存在。






大抵、友達や親友に
救いの手が
差し伸べられるのだが、

九古は
小学生に入る前なので
慰めてくれる友達も
いない。







心の支えが
何一つない状態で
これ以上何を求めろと?








もはや
生きてる事すら
何なのかが、

よく分からなくなって
しまっていたのだ
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