レス―Q
【発揮した力-10】






遠くで
自分を呼ぶ声が
聞こえた。








だけど今は
燃え盛る炎の轟音しか
聞こえない。









「オーイ!!!
助けに来たぞ!!

返事をしろー!!」









………








九古の言葉に
人間の返事は
返って来なかった。









よく聞こえないし、
視界もよく見えない。









「クッソ。

邪魔だっ」








九古は守りである
防火服を全部脱ぎ捨てた








熱さが感じられない
燃えない体を持つ
九古にとっては、

炎を遮るだけの
防火服は
動きづらくて
邪魔なだけだった。









「よしっ…」








身軽になった九古に
早速炎が襲いかかる。









ボワ!!!









しかし、
ケロッとした
涼しげな顔で

炎を手で掻き分けた。









「オオーイ!
どこだー!!!!」









必死に探す九古。







この中で
人間を見つけるのは
なかなか至難の業だった
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