レス―Q
「火のスペシャリスト-8」





休日なので、
当然会社内には
誰も人がいない。








入る時も、
ドアは空かれており
セキュリティーも
解除されていた。









当然、
ヤツの仕業だ。








急いで
3階までの階段を
かけ上がると、

そのフロアは
異様な匂いが
覆い被さっていた。








ガス……?

いや、科学製品の
匂いだ。








この匂いは嫌な記憶を
刺激していた。









こんなとこで
炎を起こす気か?









例え
それに乗じて逃げても
こちらは
火が全く効かないと
言うのに、
何を企んでるか
分からない。








そんな事も考えつつ、
大きな事務室の扉を
蹴り飛ばして開けた。








これは、
影から襲われないように
勢いで
スキを作らないという
方法である。









しかし、
敵はコソコソ待ち構えて
いるわけでもなく、

普通に鏡張りの
窓ガラスの前に
立っていた。









「意外に遅かったな」









そう言われ
対峙する2人。







「なーに。

お前のその
間の抜けた仮面を
剥がすのが、
遅くなった方が
いいだろう」








九古は
挑発的な態度で
返事を返した。








「フ…フフフ…」









相手はそれに対して
不敵に笑い続けるだけだ
< 60 / 130 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop