レス―Ｑ

「警察の女―７」







「痛てえ！痛てえ
離せよ！

アンタには
関係ないだろ？！」









珍しく九古は
怒鳴って対抗した。









それでも流石は
警察の女。









大声じゃ一切怯まない。









それだけでなく、
冷静に返事を返す。








「知ってますか？

消防士には
捜査権や逮捕権がない為
放火魔に対しては
現行犯逮捕しか
できない事って。

だから貴方は
火を鎮火するだけで、
容疑者逮捕の権限は
一切ないんです」










そんな法律を
並べられても、
はいそうですかと
引き下がるワケには
いかない。










「だから黙って貴方は
警察に任せていれば
いいの。
帰りなさい」









更にはこんな
命令みたいな事を…








この様に
警察と消防は
お互い独立しており、

基本的には警察が
消防に命令を
することはないが、

昔消防は
警察の傘下であった
名残から、
命令まがいなことを
言われるケースもある
（法的には認めず）










なので、
この命令が
九古にとっても
気に食わなかった。









「離せ！！

俺はせこせこ検問しか
してないような、
アンタ等警察程
暇じゃない」









バッと
無理やり腕を引き剥がし、
表参道に
歩いて行ってしまう
九古の後ろ姿を
眺めていた。








「……な
なんですって？！

今の
聞き捨てならないわよ！」









女は怒りながらも
九古の後を追いかけた