レス―Q
「警察の女―8」







街中を歩くも、
後ろからうるさい女が
喋りながら付いてくる。










「ちょっと貴方!
謝りなさいよ!

こっちだって
殺人事件とか、
命懸けで
捜査してるんだからね!」












そんな事言っても、
所詮は殺人のあった
『後』の捜査の話だろ。









別に捜査してただけで
自分が殺人犯に
狙われる訳じゃ
あるまいし、

命を懸ける程ではない。










それで
命を張って消火にあたる
自分達に比べれば、
ママゴトにも見えて
仕方がない。










と、思ってる事が
つい口に出てしまった。









「な…何ですって~!」










怒りが頂点に達しそうな
様子を見て、
このまま落ち着いて
捜査する事はできない。









仕方がないので、
今日はもう帰る事に
しよう。









「あ、犯人」










九古が路地裏に
指を指して、
嘘の一声上げた。










ダッ…!!









普通に帰ると言っても
今の怒りは収まる訳では
なさそうなので、

走って逃げる事にした。










「え?あ!
待ちなさい!!」









一瞬の隙を付かれて
逃げ去る九古を
追いかけるが、

ちょうど
歩道が赤信号で
逃がしてしまった。









向こう側で
『た・ん・じ・ゅ・ん』
と呟いた口を見て、
女は悔しい思いをした
< 75 / 130 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop