レス―Ｑ

【消防の心得－９】





「オイ…」







こちらが声をかけると
男共は
機嫌が悪そうに
答える。







「ああ？
何の用だテメーは！」







別に声をかけただけで
こんな機嫌悪く
返されるなんて…






まあもっとも
これ以上
相手の機嫌が
悪くなるような事を
これから
言おうとしているのは、

自分自身分かっている。








「タバコ……
火の元だ。

家事になるから
ポイ捨ては止めろ」







すると
その男共は怒りはせず、
逆に
ゲラゲラ笑い始めた。







「ひゃっひゃっひゃ！
何言ってんのコイツ？

ポイ捨てだってよ」






違う１人が立ち上がり
タバコを片手に
近付いてきた。







「ほんなら
テメーに消して
もらおうかな」






そう言いながら
九古の首に、
火の付いたタバコを
ジュッと押し付けた。






男はそれを
ニヤニヤしながら
行った。






しかし…







一向に九古は怯まない。


それどころか
まるで
何も感じていない
かのように、

火を当てつけられても
微動だにしない。







そのままずっと
その男の顔を
見つめている。







「うっ…」







何か異様な物を
感じ取った男は
一歩身を引いた