レス―Q
「警察の女―29」







「…幼少時代
火事に巻き込まれて…

それで全身火傷を
負っただけです」









「へえ~~。

そうなんだ~~。

大変なんだね~」










そんなやり取りに
我慢出来なくなったのか、
英里が口をはさんだ。









「もういいじゃ
ないですか!!

詮索しないでください!」









すると男は向き直し、
英里の写真も一枚撮った。









「お~~君かあ。

ウチのイグアナを
救ってくれたのは。

いや~~
たった一匹のペットでも
感謝、感謝」










あまり
この男が好きになれない
英里は、
九古の手を引いた。










「さあ、いきましょ!」










すると男は、
手を振った。









「あ、いやいやいやいや。

こちらこそ、
そろそろ失礼させて
いただくよ。

私も色々と忙しい身でね…

いやっ、
本当にありがとう
ございました。

では」










そう言って、
呆気なく帰ってしまった。










それを見送る二人。










「何あの人っ!

息子を助けたってのに
失礼だわ!!」










英里はかなり憤っているが、
九古はあまり気にしない。








まあ、
親がどうであれ、

子供の命が助かって
良かった
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